ウサギの耳

アイドルを消費しています。

歪な六角形が正六角形になり円へと変化する話

集められた理由、選ばれた理由、そこに立つ理由、多分全部バラバラで全部統一性がなくて、この6人である意味すら捉え方はバラバラで、デビュー当時のV6はそんな歪な六角形だったように思える。歌はトニセン、人気はカミセン、アイドルという物に対する捉え方も全員バラバラ、トゲトゲでオラオラでとにかくがむしゃらな歪な六角形。

 

彼らは成長していく過程でバラバラなままに自身の位置を考え出す。与えられたV6という居場所を、自身という物がありながらも心地の良い、形の綺麗な物にしようと。彼らはいつしかとても綺麗な正六角形に成る。バラバラで、個性が強くて、職人気質な彼らはいつのまにか歪な六角形を綺麗な正六角形に変えてしまったのだ。

 

彼らは今、綺麗な円に成ろうとしている。円の中にファンと、自分たちと、V6を構成する全ての要素を入れたまま、6人で手を繋ぎ綺麗な円に成ろうとしている。泣いている、寂しがるファンに優しく寄り添い、最後のその時までV6を全うし、26年という月日をとても綺麗な円の宝箱に仕舞おうとしてくれているのだ。

 

まだ、彼らは進んでいる。私たちの涙を曲と言葉で拭いながら、宝箱の中に新しい物を仕舞い続けようとしてくれている。最後の1ピースを宝箱に仕舞ったら、いつでも好きな時に開けることのできる鍵をかけて、それぞれに思い出という形でプレゼントしてくれるのだ。

 

宝箱はいつでも開けられる。楽しい時、辛い時、哀しい時、仕事中でも勉強中でも、開きたくなったら開くことができる。宝箱に新たに何かが入ることはない。でも、私たちはその宝箱を抱いたまま、それぞれの電車に揺られて次の場所へと進んでいくことができる。

 

私たちは宝箱を開く度にV6を思い出せる。V6は無くなるのではなく、永遠に、綺麗なままで、そこにあり続けることができる。

 

これは私の感想で、私のエゴで、私がこう思うことによって少しだけ心が軽くなるから書いたものである。最後の日を迎えた時、最後の瞬間を迎えた時、流すであろう涙が少しだけ減るように、あと数日を全力で生きていきたい。